難病にはたくさんの疾患があり、厚生労働大臣が指定する指定難病だけでも333の疾患があります。原因や治療方法が確立されておらず、療養に長い期間を要するという共通点はあるものの、疾患ごとに患者さんの症状は異なるため、提供する看護ケアもその疾患や病状ごとに変わります。また患者さんは入院治療をするケースもあれば、自宅療養を行うことも少なくありません。患者さんが置かれている生活環境に合わせて、よりQOLを向上するための看護ケアを提供することが、看護師に求められる大きな役割なのです。難病を患う患者さんへのケアは、看護師一人で行うものではなく、医師や介護士、そのほか地域医療に携わる様々なスタッフや医療機関と協力しながらチーム看護を行わなければいけません。患者さんが抱える心の悩みに対して、どのような選択肢があるのかを情報提供したり、必要なサービスを紹介することも、難病看護師の役割です。難病看護師は、病状が少しずつ進行する患者さんのニーズに合わせて、提供する看護ケアも微調整しなければいけません。わずかな変化に対しても見逃さずに病状を把握することで、患者さんに適したサービスを提供できますし、医療も日々進化しているため、QOL向上のために必要なサービスとのマッチング作業も必要です。難病ケアは、医療機関や自治体が主導で取り組んでいるケースが少なくありません。症例数が少ないため、どこも手探りの状態で看護ケアを提供しているわけですが、今後はニーズが高まると考えられている医療分野という事で、この分野で活躍したい看護師はたくさんいます。